桜の開花で春の華やかな香りが漂うこの時期に、土からひっそり顔を出す旬の食材「筍」。竹の若芽で、野生動物に食べられないよう幾重にも皮が折り重なっていて、成長に従い、一枚一枚と剥がれ落ちていきます。
収穫は若芽が土から顔を出したその一瞬が勝負。日が当たり、穂先が緑色になるとえぐみが強くなるので、穂先が黄色で開く前に収穫するのがベストです。タイミングと鮮度が命の食材、その旬のおいしさはひとしおです。
春も近づき、苺も旬を迎えようとしています。ビタミンCが豊富で、酸味と甘味のバランスが絶妙な苺ですが、先端から熟していく性質上、糖が多く蓄積するのも先端部。ヘタよりは真ん中、真ん中よりは先端にいくにつれ甘味が増していくそうです。この甘い部分、実は果実にあらず。偽果と言い、本当の果実は表面にあるあの粒々。1つの苺には、200~300の果実が集まっているそうです。
大きさや甘さの違いなど、さまざまな品種も出回っているので、この機会に自分好みの苺を探してみては。
キャベツを小さくしたような見た目が特徴の「芽キャベツ」。同じアブラナ科ですが、一つの株で一つの球しかできないキャベツと異なり、茎の側面に生える複数のわき芽が結球しています。その様子から「子持ちキャベツ」とも呼ばれています。
小さいながらも、一般的なキャベツと比べて栄養価が高く、特にビタミンCが豊富。この冬おすすめの野菜です。
まだまだ寒さが厳しい季節、旬を迎えた芽キャベツを食卓に取り入れてみませんか。
程よい甘さと酸味を持ち、シャキシャキとした食感で親しまれている林檎。蜜入りの「ふじ」や酸味の強い「紅玉」など、日本で栽培されている品種は、なんと約2千種。世界でも有数の林檎の栽培国です。
「1日1個の林檎は医者を遠ざける」という意味の英語のことわざがあるほど栄養豊富で、ビタミンCや食物繊維、ポリフェノールなどが含まれています。
林檎を食後のデザートやおやつに取り入れながら、冬のおうち時間を林檎とともに楽しんでみてはいかがでしょうか。
爽やかな酸味と見た目から夏をイメージしがちな「檸檬」ですが、日本での旬は秋から冬。輸入品とは違い、国産品はしっかり洗えば皮まで食べられるとあって、お菓子や皮を生かす料理に多く使われます。国内での主な栽培地域は広島。明治時代に和歌山県から購入したネーブルの苗木に混入していた3本の苗木から始まったとされています。温暖かつ雨の少ない気候も適し、今では盛んに栽培が行われています。
巣ごもりになりがち冬。国産の檸檬をお菓子や料理に取り入れてみては。
秋の色が深まり始めるこの時季。イガの皮をまとった「栗」が地面に転がり、食欲の秋の到来を教えてくれます。鬼皮と呼ばれる果肉を剥いて食べる栗は、食物繊維やビタミンCを豊富に含む栄養価の高い食材です。
古事記や万葉集などにも登場する大粒の“丹波栗”は、江戸時代に京都周辺で人気となり、さらに参勤交代を通じて江戸から全国に広まったといわれています。
木々が鮮やかに彩られるこの時季に、新米の栗ご飯や渋皮煮など、秋の味覚を堪能してみては。